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ヘリサート(ねじインサート)の選び方

  • 執筆者の写真: 翰君 陳
    翰君 陳
  • 11月11日
  • 読了時間: 5分

金属・樹脂・アルミ部品では、ねじ穴は使用を重ねると摩耗やなめりが起きがちです。そんな時の“救世主”が ヘリサート(Helical Insert)。傷んだねじを修復し、樹脂やアルミなど軟質母材のねじ強度を強化できる内張り部品です。


ひと言で言えば、孔の中に**「新しく強いねじ山を作り直す」ことで、ゆるみやすいねじを確実に固定**できるようにします。


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1) ヘリサートの機能と効果


在機械組裝或維修時,最怕的就是螺絲孔滑牙。而螺紋護套的出現,就是為了解決這個問題組立や保守で最も避けたいのが、ねじ穴の“なめり”。ヘリサートは、損傷したねじ穴を再生し、必要なときに分解もできる安定した締結を実現します。


主な効果

  • なめり穴の修復: 新たな内ねじを形成。

  • 再なめりの防止: アルミ・真鍮・樹脂などでも繰り返し締結可能に。

  • ねじ強度の向上: ステンレス製インサートは高トルクに対応。

  • 耐摩耗・耐食: 高温・高振動環境でも長寿命化。


単なる修理パーツではなく、締結性能そのものを底上げします。

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2) 使用例


アルミ筐体、樹脂カバー、亜鉛ダイカストなど、繰り返し分解する箇所ではねじが緩みがち。ヘリサートを入れれば初期以上の保持力を得られる場合もあります。


代表例

  • アルミ/亜鉛ダイカスト部品: 内ねじ補強、再なめり防止。

  • 自動車・二輪のエンジン/フレーム: 振動・高温に強い。

  • 3Dプリント品・樹脂筐体: 何度でも分解できる締結点に。

  • 電子機器・金型構造: 耐久性と保守性を両立。

  • 高温/高振動設備: 機械装置、コンプレッサ、重工現場。


要するに:時間とともに緩みやすい場所には、ヘリサートが有効です。


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3) 規格・システムと材質


メートル系では DIN 8140 が主流ですが、世界には メートル(M)/ユニファイ(UNC/UNF)/ウィット(BSW/BSF) が存在します。


見た目が似ていても ピッチ・角度・単位・用途が異なり互換性はありません。


ねじシステム


系統

単位

主な規格

特徴・用途

メートル(M)

mm

ISO / DIN / JIS

M6 × 1.0

台湾・日本・ドイツで主流。精密~一般機械まで幅広く。

ユニファイ(UNC/UNF)

inch

ANSI / ASME

1/4-20 UNC / 1/4-28 UNF

米国、航空宇宙、自動車で広範。60°角。流通性が高い。

ウィット(BSW/BSF)

inch

BS

1/4 BSW

旧英国機械の保守用。55°角。徐々に縮小。


重要ポイント

  • M ≠ BSW/BSF ≠ UNC/UNF(混用不可)。

  • 米欧機の修理では**ねじ形状の確認(UNC/UNF等)**が必須。

  • 勝豐精密は M/UNC/UNF/BSW/BSF を 並目(粗目)・細目ともに供給可能。


インサート材質

材質

特性

適用環境

SUS304

一般的な耐食性

産業用途、金型補修

SUS316

酸・アルカリに強い高耐食

半導体、化学用途

真鍮(Brass)

導電性良好、加工性良

電子部品、非鉄系組立


結論:規格・ピッチ・材質を用途に合わせて選定。


  • 屋外・湿潤 → SUS316

  • 電子・樹脂ボス → Brass

  • 米国機 → UNC/UNF を確認


公差・ピッチ・材質の組合せが合って初めて、インサートの性能が生きます。

---

4) 並目(粗目)と細目の違い



ヘリサート(Helical Insert)
ヘリサート(Helical Insert)



螺紋インサートを選ぶ際に最もよくある疑問は、「並目ねじと細目ねじは何が違うのか?」です。









種別

特徴

適用

並目(粗目)

ピッチ大、作業性良、許容範囲が広い

一般構造、アルミ・樹脂など軟質母材

細目

ピッチ小、噛み合い長大、緩みに強い

高振動、精密締結、航空・機構部


覚え方:

  • 並目=速く・簡単

  • 細目=締結力重視・緩みに強い


高荷重・高振動なら 細目、保守・現場対応なら 並目 が便利。

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5) 追加のコツ & FAQ



(1) おすすめ組合せ


  • 細目インサート × ステンレスねじ: 最大の締結力。高振動・高精度向け。

  • 並目インサート × アルミ母材: 許容が広く現場補修が速い。


要点:安定性=細目/効率=並目。母材と環境に合わせご提案します。


(2) 保守コストの差


細目は高精度加工・長サイクルを要するためコスト高になりがち。並目は作業が速く、部品調達も容易。


まとめ:

  • 長期固定・精密用途 → 細目

  • 頻繁な保守・仮組 → 並目


(3) 地域ごとの傾向

地域

規格

傾向

台湾/日本/ドイツ

メートル(DIN 8140)

精密加工・一般機械

米国/カナダ

UNC(並目)/UNF(細目)

航空宇宙、自動車、産業機械

英国・東南アジアの旧設備

BSW/BSF

旧式機の保守・交換


実務の注意:輸入機の保守では、最初にねじ形状(M/UNC/UNF)を確認してからインサートを選定。


(4) FAQ


  • Q1. 自分で施工可能?

    可能。 適切な工具(タップ、挿入工具/タン折り器)を用い、孔内を清浄に。


  • Q2. 細目はアルミや樹脂でも使える?

    非推奨。 ピッチが小さく軟質母材では噛みが浅くなるため、並目を推奨。


  • Q3. メートル用インサートにユニファイねじを使える?

    不可。 ピッチ・角度が異なり、なめりや不良締結の原因。


  • Q4. ねじが入らない。ピッチ違い?なめり?

    新孔で入らない=ねじ形状ミスマッチ。使うほど緩む=なめり → ヘリサートで補強。


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6) 勝豐精密を選ぶ理由



範囲:M2~M16。メートル(並目/細目)・UNC/UNF・BSW/BSF をフルカバー。


当社の強み

  • 豊富な在庫: 迅速供給が可能。

  • 安定品質: 各ロットでピッチ・寸法を検査。

  • 技術支援: ねじ形状の判定と仕様選定をサポート。

  • 短納期対応: 少量・急ぎの保守にも柔軟対応。


📩 LINE:@s9000 にてお気軽にご相談ください。最適なインサートをご提案します。


🛒 仕様一覧: https://lihi3.me/9jPjQ



 
 
 

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