螺紋護套(ヘリカルインサート)取付け手順と、よく使う工具の解説
- 翰君 陳
- 1月2日
- 読了時間: 5分
機械の修理、設備の組立て、部品のメンテナンスをしていると、こんな状況に遭遇することがあります。ねじをどれだけ締めても締まらない。穴が「なめて」しまっている(ねじ山つぶれ)。
そのまま大きいサイズのねじに変えると、構造に影響が出ることがあります。タップを立て直しても、母材が弱くてすぐ再発することもあります。
そんなときに実用的で、現場でもよく使われるのが 螺紋護套(ヘリカルインサート / Helical Insert) です。
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1. 螺紋護套とは?
一言でいうと「穴の中に新しい内ねじを作り直す部品」
螺紋護套は、金属線をバネ状(コイル状)に巻いた部品です。穴に挿入して取付けると、内部に 新しい内ねじ が形成されます。
主な用途は次の3つです。
もともとのねじ穴がなめた(滑牙)ときの 修復
アルミや樹脂など母材が柔らかい場合の ねじ強度補強
ねじの脱着が多い箇所での 寿命延長
ねじサイズを変更しなくてよく、部品側の作り直しも不要なケースが多いです。修復後は、元のねじ山より 長持ちする こともよくあります。
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2. なぜ螺紋護套を入れると、むしろ耐久性が上がるのか?
理由はシンプルです。
螺紋護套自体に弾性があり、ねじを締め込んだときの力が 護套全体に分散 します。穴の一部に力が集中しにくいのがポイントです。
そのため螺紋護套は、特に以下のような材料で効果的です。
アルミ合金、マグネシウム合金などの軟質材
鋳鉄部品
樹脂部品
内ねじ補強が必要な一部の ステンレス材
ただし、穴壁がもともと薄い場合や、構造的に非常に大きな荷重がかかる場合は、螺紋護套でも不向きなことがあります。事前評価が必要です。
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3. 取付け前に必ず確認してほしいポイント
取付けに失敗する原因は、護套の品質ではなく「最初の確認不足」であることが多いです。
取付け前に確認してください:
元のねじ規格が メートル(公制)か インチ(英制)か
護套の サイズと長さが正しいか
穴深さは十分か
穴壁の厚みが耐えられるか
このうち1つでも間違うと、後工程で丁寧に作業してもトラブルになりやすいです。
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4. 螺紋護套の取付け手順
まず「初回取付け」か「既存護套の交換」かを確認
現場では、穴の中に 古い護套が残っているかどうかで手順が変わります。状態を確認して、該当する手順で作業してください。
ケース①:穴に護套がない(初回取付け)
最も標準的で一般的な流れ:
穴あけ → タップ加工 → 取付け → タング折取り
説明:
穴あけ: 護套指定のドリル径で穴あけします。元のねじ用の下穴径は流用できません。
タップ加工: 護套専用タップ(インサート用タップ)で、護套に必要なねじを加工します。
取付け: 取付け工具で護套をねじ込みます。通常、護套はワーク表面より わずかに下 にセットします。
タング折取り: 取付け後、底部のタング(折り取り部)を折って、ねじの挿入を妨げないようにします。
ケース②:穴に古い護套が入っている(交換/やり直し)
古い護套がある場合は、必ず 完全に取り外してから再取付けします。
流れ:
取り外し → 穴あけ → タップ加工 → 取付け → タング折取り
注意点:
古い護套は 必ず完全に除去 する
古い護套の上から穴あけ・タップ加工を しない
取り外し工程を省くと、穴が傾いたり、ねじが乱れたりして、固定力が落ちる原因になります。
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5. 取付けに必要な工具
初回でも交換でも、実務では以下の基本工具を使います。
ドリル(ドリルビット)護套仕様に合う径で穴あけします。護套の規格に合わせて選定してください。
螺紋護套専用タップ(インサート用タップ)護套に必要なねじ加工を行うためのタップです。一般のねじ用タップは代用できません。
※「タップ」は工具名で、「タップ加工(攻ねじ)」は作業(加工動作)を指します。また、一般ねじ用のタップを代用すると、護套が安定せず、抜けたり緩んだりする原因になります。
螺紋護套 取付け工具護套を安定してねじ込むための工具。用途に応じて手動/エア工具などを選べます。
タング折取り工具(またはポンチ)取付け後にタングを折り取って、ねじが正常に入るようにします。
補足: サイズやねじ規格が変わると、対応するドリル径・タップ・取付け工具もすべて変わります。作業前に必ず一致しているか確認してください。
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6. 螺紋護套が「向いている」ケース/「向かない」ケース
向いているケース:
元のねじ穴がなめている(滑牙)
アルミや樹脂などでねじ強度を上げたい
ねじの脱着が多い
向かないケース:
穴壁が薄すぎる
非常に大きな引張荷重がかかる構造
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7.どの螺紋護套を選べばいいか分からないときは?
多くの人は「取付けが難しい」のではなく、最初に 何を買うべきか で止まってしまいます。
よくある悩み:
この穴は 公制? 英制?
護套の長さは 短い方? 長い方?
この材質で護套は持つ?耐えられる?
護套だけ買えばいい?必要な工具は?
ここを最初に確認しないと、サイズ違いで入らない・間違って取付けた・結局やり直し…という事態になりやすいです。
勝豐精密がサポートできます:
正しい 公制/英制 の確認
護套の サイズ・長さ の選定
必要な 取付け工具セット の提案
買い間違い・取付けミスによる時間とコストのロスを防止
LINE:@s9000仕様を送ってください。螺紋護套の選定を一度で整理できるようお手伝いします。
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