なぜお客様は最初に RoHS/REACH/PFAS Free を聞くのか?加工業が必ず押さえるべき「最初の関門」
- 翰君 陳
- 1月7日
- 読了時間: 5分
加工業の現場では、こんな経験をしたことがある方も多いはずです。
お客様から見積依頼のメールが来て、最初に聞かれるのが価格でも納期でもなく、「RoHS は対応していますか?REACH は?PFAS Free ですか?」という質問。
その瞬間、戸惑いや不安を感じることもあります。「うちは加工だけなのに、なぜ?」「電子製品だけの話じゃないの?」「第三者試験って必須なの?」
でも実は、お客様はサプライヤーを困らせたいのではありません。やっているのは、とても現実的なことです。**サプライチェーンの最初のリスク選別(スクリーニング)**です。
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1. なぜ最初にこの3つを聞くのか?
お客様の立場では、コンプライアンスを最初に確認しておかないと、後で次のようなリスクが出てきます。
輸出時に書類の追加提出を求められる
市場での抜き取り検査や監査で問題になる
顧客社内の審査に通らず、案件が中止になる
そのため最近は、見積の初期段階で「最低限、コンプライアンスをきちんと説明できるサプライヤーか」を確認する企業が増えています。
そして、その最初の関門としてよく使われるのがRoHS/REACH/PFAS Free の3項目です。
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2. RoHS とは?なぜ五金部品でも聞かれるのか?
RoHS は EU が定めた Restriction of Hazardous Substances Directive(有害物質使用制限指令)です。本質はとてもシンプルで、製品の中に「入ってはいけない有害物質」が含まれていないかを問うものです。
主に制限されるのは、鉛・カドミウム・水銀・六価クロムなどの重金属、そして一部の難燃剤や可塑剤です。もともとは電気・電子機器向けに作られた規制です。
では、なぜ加工業や五金部品でも RoHS を聞かれるのでしょうか?
理由は一つ。あなたの部品が、電子機器・自動化設備・システム製品の中に組み込まれる可能性が高いからです。
お客様としては、完成品になってから確認するより、部品の段階でリスクを先に排除したいのです。
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3. REACH とは?なぜ RoHS より見落とされやすいのか?
REACH は EU の化学物質管理制度で、正式名称はRegistration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals です。
RoHS との最大の違いは次の通りです。
RoHS:製品カテゴリ(主に電気・電子機器)ベース
REACH:物質そのものベース(ほぼ全ての製品が対象になり得る)
REACH の重要な概念が SVHC(高懸念物質)です。製品中の特定物質が 0.1% を超える場合、情報開示や通知義務が発生する可能性があります。
つまり、見た目が単純な金属部品・樹脂部品・五金部品であっても、EU 向けなら REACH を聞かれるのはごく普通のことです。
ざっくり言うと:
RoHS は「電子製品に使って大丈夫?」を聞いている
REACH は「この製品そのものは安全?」を聞いている
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4. PFAS Free とは?なぜここ数年で急に増えたのか?
PFAS の正式な英語名は Per- and Polyfluoroalkyl Substances(全フッ素・多フッ素アルキル物質)です。PFAS は単一物質ではなく、非常に広い化学物質群の総称です。過去には、撥水・撥油・防汚の表面処理やコーティングなどに使われてきました。
近年、環境・健康リスクへの関心が高まり、各国の規制や大手ブランドの方針で PFAS が重点管理対象となったことで、サプライチェーンでの確認が急増しました。
ここで重要なのは、PFAS Free は単一の法規名ではないという点です。サプライチェーンでよく使われる表現で、一般的には次の意味で使われます。
PFAS を意図的に添加していない
あるいは、検出可能な PFAS を含まない(顧客定義・試験方法による)
加工業にとって大事なのは、「必ず PFAS を使うかどうか」ではなく、お客様がサプライチェーン全体として潜在リスクを避けたい、という意図です。
そのため、まず PFAS Free を確認し、必ずしもすぐ試験報告書を要求しないケースも多いですが、材料と工程について明確に説明できることが求められます。
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5. 試験報告書は必須?それとも声明でよい?
ここは加工業で最も誤解が多いポイントです。
実務上、顧客要求は大きく3段階に分かれます。
書面の適合声明でOKサプライヤー発行の適合声明が最も一般的です。
材料メーカー/上流サプライヤーの声明原材料側の情報提供で足りるケースです。
第三者試験報告書高リスク/高要求の製品で求められることが多いです。
つまり、毎回必ず試験が必要というわけではありません。重要なのは、お客様が今どのレベルを求めているかを見極めることです。
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6. この3つの質問は、実はお客様の何を助けているのか?
お客様にとって RoHS/REACH/PFAS Free は、サプライヤーを「試す」ためではなく、次のことを行うための確認です。
コンプライアンスリスクを早期に排除する
目標市場へ問題なく投入できるようにする
将来の抜き取り検査、返品、罰則を避ける
加工業の立場では、この最初の関門を明確に説明できるかどうかで、価格・納期・技術条件の話へ進めるかが決まることも少なくありません。
RoHS/REACH/PFAS Free は、国際市場に向けた加工業の「最初の門」です。
これらを理解することは、法規の専門家になることではありません。お客様から聞かれたときに、落ち着いて、明確に説明できること。それができると、お客様は安心して次の議論へ進め、協力関係が本格的に始まります。
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7. 勝豐精密ができること
実務では、コンプライアンスは「ある/ない」よりも、どう説明し、どう準備するかが重要になることが多いです。
勝豐精密は次のサポートが可能です。
RoHS/REACH/PFAS Free の説明が必要かどうかの判断支援
材料由来・サプライチェーン情報の整理支援
顧客から多いコンプライアンス/書類質問への回答支援
国際市場ニーズに合う五金部品と代替提案の提供
📩 LINE:@s9000 仕様の相談も歓迎です。要点を整理し、スムーズなコミュニケーションと安心できる取引につなげます。



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