**なぜメートルねじとインチねじがあるのか?
- 翰君 陳
- 11月19日
- 読了時間: 4分
違い・用途・選び方を一度で理解するガイド**
五金部品、機械加工、設備メンテナンスの現場では、よく次のような場面に遭遇します。
同じ「ねじ」や「ピン」を探しているだけなのに、仕様が M4・M6・M8(メートル) と 1/4”-20・#8-32(インチ) のように全く異なる表記で記載されている。
多くの人が思います:
「なぜ規格を統一しないの?」
「サイズが近いなら、代用できるのでは?」
答えは NO。
メートル(Metric)とインチ(Imperial)は、単位・表記方法・ねじ構造まで、根本から異なる規格です。
この記事では、両者の違いと正しい選び方を分かりやすく解説します。
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1.メートル規格とインチ規格が存在する理由
メートル(Metric)
18世紀フランスで誕生
メートル法にもとづく
世界で最も普及
10進法で換算が容易
インチ(Imperial)
イギリスの産業革命期に発展
現在もアメリカで広く使用
インチ、ポンドなどを使用
米国製設備に深く根付く
なぜ両方が今でも使われているのか?
工業化初期に各国が独自の規格を採用し、その設備が今も運用されているため、現在でもメンテナンスや加工の現場で両規格が共存しているのです。
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2.メートル vs インチ:核心的な違い
1. 単位が異なる
メートル → mm(ミリメートル)
インチ → inch(インチ)
例:6 mm と 1/4"(6.35 mm)は近いが、互換不可。
2. ねじの表記方法が違う
メートル例
M6 × 1.0
M8 × 1.25
インチ例
1/4"-20
#8-32
メートル → ピッチ(mm)インチ → TPI(1インチあたりの山数)
3. ピッチの考え方が完全に違う
メートル:1山あたりの距離(mm)
インチ:1インチあたりの山数(TPI)
全く異なる概念のため、互換性はない。
4. ねじ角度が異なる
メートル:60°
BSW などインチ:55°
角度が違えば噛み合わない。
5. なぜ代用してはいけないのか?
ピッチが合わない
角度が違う
無理に締めると相手側のねじ山を破壊
長期的には緩み・破損の原因
精度低下や設備トラブルにつながる
メートルとインチは完全に非互換です。
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3.世界での使用範囲と業界分布
メートル(Metric)
分類 | 内容 | 理由 |
使用国 | 日本・台湾・韓国・中国・欧州 | 産業全般がメートル |
加工 | CNC・金型・精密加工 | 工具・測定具もメートル |
自動化設備 | 日本・台湾・ドイツ | 構造・ねじはメートル |
電子製品 | 3C・家電・モジュール | 世界標準 |
半導体 | 多くがメートル | 一部米国モジュールはインチ |
インチ(Imperial)
分類 | 内容 | 理由 |
使用国 | アメリカ・カナダ | 産業がインチ基準 |
航空・軍事 | UNF/UN 系 | 歴史的規格 |
油圧・配管 | NPT、BSP、SAE | ねじ規格がインチ |
自動化モジュール | USブランド | 元々インチ規格 |
旧式設備 | 工具機・生産機械 | インチが主流 |
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4.よくある使用シーン
使用シーン | メートル/インチ | 説明 |
台湾の加工現場 | メートル | 図面・工具すべてメートル |
米国製設備メンテ | インチ | UNC/UNFが必ず登場 |
自動化生産ライン | メートル+一部インチ | 米国モジュールがインチ |
油圧・配管 | インチ | NPT/BSP/SAE |
半導体設備 | 混在 | 本体メートル・治具インチ |
日本/欧州設備 | メートル | ほぼインチなし |
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5.なぜメートルとインチは混用してはいけないのか?
主な理由:
ピッチの定義が違う
角度が違う
混用するとねじ山を破壊
緩みや精度低下の原因
修理費用の増大
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6.正しい規格を選ぶには?
Step 1:設備の出身国を確認
米国 → インチ
日本・ドイツ・台湾 → メートル
不明 → Step 2
Step 2:ねじの刻印を見る
M6/M8/M10 → メートル
1/4"-20・#8-32 → インチ
不明 → Step 3
Step 3:ピッチを測る
1.0/1.25 mm → メートル
20TPI/24TPI → インチ
不明 → 供給業者に確認
3つの原則
① 修理は“元の規格”が絶対ルール米国設備=インチその他=メートル
② ピッチとTPIが最も確実な判断ポイント
③ 不明な場合は推測しない写真を撮って供給業者に相談すること。
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7.メートル・インチの換算(参考値)
1 inch = 25.4 mm
1/4" = 6.35 mm
3/8" = 9.525 mm
1/2" = 12.7 mm
⚠ 換算できても互換できるわけではない。
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8.なぜ勝豐精密(Sheng Fong Precision)なのか?
勝豐精密は「メートル/インチ混在サプライチェーン」に特化し、正しい規格を迅速に判別できる体制を整えています。
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✔ 規格判定サポート
日系/欧系/米系設備の特性に精通
✔ 標準化されたデータ+明確な図示
品番間違い・規格ミスを防止
✔ 在庫充実+迅速出荷
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McMaster-Carr / MISUMI / PEM の代替品も多数対応
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