ワッシャーを侮るなかれ|ねじ締結の“縁の下の力持ち”
- 翰君 陳
- 9月24日
- 読了時間: 3分
ワッシャー(Washer) は機械や構造物で最も一般的で、しばしば見過ごされがちな小部品です。ねじ・ナットと取付面の間に入れ、荷重を分散し、緩みを防ぎ、表面を保護します。
最も汎用的なのは 平ワッシャー と ばね座金(スプリングワッシャー):
平ワッシャー → ねじ/ナットの荷重を分散し、取付面の傷付きを防止。受圧面も拡大。
ばね座金 → 弾性で張力を保ち、振動による緩みを抑制。
両者は併用が一般的:平ワッシャーが表面保護、ばね座金が緩み止め。多くの締結で定番の組み合わせです。
薄い一枚でも、適切に使えば締結の信頼性は大きく向上します。
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適切なワッシャーの選び方
ねじサイズと使用環境で選定します:
内径とねじ径 → 内径はねじ径よりわずかに大きく、スムーズに挿入できること。
外径 → 外径が大きいほど、荷重分散効果が高い。
厚み → 厚いほど荷重に強いが、過度だと有効ねじ長さを減らす恐れ。
材質の例:
炭素鋼:経済的で一般構造用途に最適
ステンレス SUS304:耐食性良好。室内/食品設備で一般的
ステンレス SUS316:さらに高耐食。屋外・海辺・高湿環境に最適
真鍮:導電性良好。電気部品や装飾用途に
PEEK:高強度樹脂。耐熱・耐薬品性に優れ、ハイエンド装置に
POM(ポリアセタール):軽量・耐摩耗。電子機器や精密部品に
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取付時の注意
サイズ確認:内径はねじに適合し、ガタがないこと。
配置:通常はナットまたはねじ頭の下。接触面は平滑に。
併用:ばね座金/各種ロック座金は平ワッシャーと併用して緩み止めを強化。
重ね付けは避ける:シムによる高さ調整などの意図がない限り、複数枚重ねは非推奨。
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主な使用シーン
機械組立:ボルト締結の荷重分散を向上
自動車・二輪:防振・緩み止め
建築・設備据付:構造部材の表面保護
電子機器:絶縁スペーサー/クリアランス調整
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ワッシャー種類の比較
種類 | 役割 | 主な用途 |
平ワッシャー | 荷重分散、取付面の傷防止 | 一般的なねじ固定 |
ばね座金(スプリング) | 弾性で張力維持、振動緩み防止 | 機械設備、自動車部品 |
波形ワッシャー | 弾性補償、振動吸収・ガタ取り | ベアリング、精密組立 |
皿ばね座金(コニカル/ベローズ/ベルビル) | 円錐ばね作用で締付力と荷重能力を向上 | 高強度ボルト、長期の押付保持 |
二重ワッシャー | 2層構造で緩み止め・弾性を強化 | 高振動環境 |
内歯ワッシャー | 内側の爪がねじ軸に食い込み回り止め | 狭い内径、爪を隠したい用途 |
外歯ワッシャー | 外側の爪が当接面に食い込み緩み止め | 広い面での緩み止めが必要な場合 |
まとめ:
安定性・表面保護 → 平ワッシャー
緩み止め重視 → ばね座金/内歯/外歯
振動吸収・すき間補正 → 波形/皿ばね
高振動で強力な緩み止め → 二重ワッシャー
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要件別の選び方
荷重分散・表面保護 → 平ワッシャー
緩みが不安 → ばね座金、内歯/外歯ワッシャー
組立誤差の補正 → 波形/皿ばねワッシャー
高振動環境 → 二重ワッシャー
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