RoHS から熔煉国まで:五金部品でよく出る「6大コンプライアンス書類」を一気に整理
- 翰君 陳
- 6 日前
- 読了時間: 4分

加工業や五金部品の現場では、こんな感覚を持つ人が少なくありません。
「書類がどんどん増えている気がする。でも顧客が気にするのは毎回そのうちの1〜2枚だけ。」
大事なのは“書類が揃っているか”ではなく、
顧客が今どのリスク段階を見ているのかを判断できるかです。
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1. 五金部品でよく出る「6大コンプライアンス書類」とは?
実務で最も頻出し、つまずきやすいのが次の6つです。
RoHS(有害物質使用制限指令)
REACH(化学物質の登録・評価・認可・制限)
PFAS Free(PFAS不使用/不含有)
EN 10204 3.1(材質証明/検査証明書)
原産地証明(CO:Certificate of Origin)
熔煉国証明(Melting Country/Country of Melt)
以降の章では、表記は主に略称または日本語で説明します。
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2. 第1段階の門番:RoHS/REACH/PFAS Free は何を管理している?
このグループが見ているのは、たった一つです。
「この部品は市場に出せるか?」
加工方法や製造国にはあまり関心がなく、ポイントは “含まれてはいけない化学物質が入っていないか” です。
RoHS: 特定有害物質を制限。電子・3Cサプライチェーンで特に多い
REACH: SVHC(高懸念物質)を重視。ほぼあらゆる製品が対象になり得る
PFAS Free: PFAS類が意図的に添加されていない、または検出されないことの確認。欧米ブランドやESG要件で増加
実務では、この3つが「最初に聞かれる第一関門」になりがちです。ここを通らないと、材質や原産地の話に進まないケースが多いです。
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3. 第2段階の確認:EN 10204 3.1 は何を保証する?
顧客が「使えるか」だけでなく、「本当にその材料なのか?」を気にし始めると第2段階に入ります。
EN 10204 3.1 が見ているポイント:
材質グレードが正しいか
試験データが実ロット(当該バッチ)に基づくか
トレーサビリティ(追跡可能性)があるか
設備・機械・構造部品・重要部品でよく要求されます。これは単なる紙ではなく、材料の信頼性を確認する仕組みです。
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4. 第3段階の認定:原産地証明(CO)は何を解決する?
CO(原産地証明) が解決するのは:
「この製品はどこの国の製造とみなされるか?」
判断の核は 実質的変更(substantial transformation)。つまり、ある国で主要な製造行為と認められる加工が行われたかどうかです。
実務での主な用途:
FTA による優遇関税の申請
一般的な輸出入通関
各国の貿易政策・規制対応
ただし CO は「加工結果」を見るため、「原材料はどこから来たのか?」 までは答えられないことがあります。
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5. 第4段階のリスク:なぜ今「熔煉国」が必ず聞かれるのか?
近年、次のことが明確になってきました。
CO が合法でも、関税リスクが安全とは限らない。
熔煉国(Melting Country) とは、金属原材料が最初に 溶解され、鋳造(注湯)された国。一度決まると、後工程の加工で基本的に変わりません。
鋼材・アルミ材・締結部品・金属部品では、加工国で CO を取得していても、原材料の熔煉国が高リスク/重点監視対象に該当すると、監査や補足書類、追加関税の可能性が出ます。
そのため現在は、多くの顧客が
CO + 熔煉国関連情報
をセットで求めるようになっています。
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6. 実戦整理:顧客は状況によって「どの1枚」を聞いている?
状況ごとに、求められる書類は変わります。
顧客の状況/使用シーン | 顧客が本当に気にする書類 | 何を管理しているか |
電子部品をEUへ輸出 | RoHS/REACH | 規制対象の有害化学物質が含まれていないか |
ブランド顧客/ESG要件 | PFAS Free | PFAS類が含まれないか |
設備・機械・重要部品 | EN 10204 3.1 | 材質が正しいか/追跡できるか |
通関/FTA申請 | 原産地証明(CO) | 関税・貿易ルールを満たすか |
鋼製締結部品を米国へ輸出 | CO + 熔煉国証明 | 原材料出所が関税リスクに関係するか |
重要なのは「書類が多いほど良い」ではなく、
正しい場面で、正しい1枚を出すことです。
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7. よくある誤解:書類は“多さ”ではなく“順番”が重要
詰まる原因の多くは、書類不足ではなく、顧客が見ている段階と提出書類がズレていることです。
よくある例:
最初に CO を出すが、顧客は材質を確認したい
材質証明は揃っているのに、環境規制対応が抜けている
書類はあるが、上流の追跡(トレーサビリティ)が示せない
コンプライアンスの難しさは量ではなく、今どの層に焦点を当てるべきかの判断にあります。
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8. 勝豐精密を選ぶ理由
実務では「書類があるか」よりも、
「この案件で、顧客は結局どれを確認しているのか」
が問題になることが多いです。
勝豐精密は以下を支援できます:
顧客が本当に必要としている書類の特定
材料・規格・書類要件の整合
補足提出・遅延・関税リスクの低減
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