見たことはあるけれど名前は知らない部品:空心柱(Hollow Dowel)の役割と用途
- 翰君 陳
- 2025年12月17日
- 読了時間: 5分
機械構造・自動化設備・各種アッセンブリの中には、見た目はとてもシンプルなのに、実は重要な役割を担っている部品があります。
それが 空心柱(Hollow Dowel) です。
ボルトのように目立つわけでもなく、ナットのように頻繁に話題になることもありません。
しかし、位置決め・支え・構造の安定という面では、空心柱はなくてはならない存在になることが多くあります。
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一、空心柱とは?なぜ構造に必要なのか?
空心柱(Hollow Dowel) は、中空構造を持つ位置決め・支持用の金属部品です。一般的には短い中空の円筒形をしており、2 つ以上の部品の間に取り付けて:
位置決めを助ける
一定の間隔を保つ
補助的な支えとして機能する
といった役割を果たします。
よく見られる 実体のダウエルピン と違い、空心柱の最大の特徴は 中央が空洞であること です。
この構造は、単に材料を節約するためではなく、次のような特定の構造要求を満たすために設計されています。
全体重量の低減
ねじ・配線・流体などを内部に通すため
限られたスペースの中で「位置決め」と「構造機能」を両立させるため
そのため実務では、空心柱は 実体ピンの代用品ではなく、特定の組立条件のために設計された機能部品として使われます。
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二、空心柱が五金部品の中で担う役割
実際の構造内で、空心柱は一つの役割に限らず、複数の機能を同時に果たすことが多くあります。
位置決め機能:組立時に部品同士の位置関係を正しく保つ。
スペーサー・支持機能:部品間の距離を一定に保ち、荷重による変形を防ぐ。
補助的な荷重支持:一定のせん断力や横方向の力を受け持つ。
貫通孔としての用途:中空構造により、ねじ・配線・気体・液体などを通すことができる。
このような特徴から、空心柱は 「高い位置決め精度が必要だが、実体構造が適していない」 部位でよく採用されます。
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三、空心柱の代表的な使用シーン
空心柱が最も活躍するのは、「部品同士をきちんと合わせたい、でもガタつかせたくない」 場所です。
構造内で複数の部品を重ねて組み付けたり、正確に位置合わせしたい場合、空心柱はその位置をしっかりと固定してくれます。
代表的な用途例:
自動化設備・機械モジュール:モジュールを取り付けた後に、傾きや位置ズレを防ぐ。
電子機器・治具:部品間の距離を一定に保ち、毎回同じ位置で組み立てられるようにする。
自動車・伝動部品:振動による位置ズレを軽減する。
ベアリング・ヒンジ・回転構造:スムーズな回転と安定した位置関係を支える。
医療機器・精密機器:限られたスペースの中で、高精度な位置決めを実現する。
一言で言えば:
「位置をきちんと合わせたい」「しっかり支えたい」「スペースを取りたくない」そんな場所に空心柱は非常に向いています。
空心柱 vs. 他の代表的な部品
部品の種類 | 主な役割 | 向いているケース |
空心柱 | 位置決め+スペーサー | 位置合わせが必要で、かつ貫通孔や軽量化が必要な場合 |
実体ダウエルピン | 純粋な位置決め・荷重支持 | 構造が重く、高い強度が必要な箇所 |
ボルト・ねじ | 締結・固定 | 取り外しや調整が必要な接合部 |
ナット/ワッシャー | 締結の補助 | 荷重分散、ゆるみ止め、固定の補助 |
空心柱は「締め付ける」ための部品ではなく、
「位置をきちんと確保する」ための部品だと考えると分かりやすくなります。
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四、空心柱の代表的な材質と特性比較
使用環境や設計要件によって、空心柱に適した材質は変わります。
以下はよく使われる材質とその特徴です。
材質 | 特徴のポイント | 主な用途 |
SUS304 | 耐食性が高く、安定性に優れる | 湿気の多い環境、食品機械、医療機器 |
AL6061 | 軽量で加工性が良い | 軽量化機器、フレーム・構造体 |
炭素鋼 | 高強度でコストパフォーマンスが良い | 工作機械、一般構造部品 |
真鍮(Brass) | 導電性が良く、耐摩耗性が高い | 電子部品、電気部品 |
PEEK/POM | 絶縁・防錆・低摩擦・耐薬品性(PEEK は高温にも対応) | 電子機器、医療機器、絶縁構造部 |
その他特殊材 | 耐熱・耐薬品・制振など、用途に応じたカスタム材 | 特殊設備、カスタム仕様 |
補足:
POM(ポリアセタール) は、低摩擦・絶縁・コストバランスを求められる部位に多く使われます。
PEEK は高機能エンジニアリングプラスチックで、高温・耐薬品・高強度を兼ね備えており、医療・半導体・高規格の装置などでよく採用されます。
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五、空心柱を選定・設計する際のポイント
設計や購買の現場で、空心柱を検討するときによく挙がるポイントは次の通りです。
材質選定:使用環境・重量制限・荷重条件に応じて選ぶ。
寸法と公差:位置決め精度を確保するため、一般的に H7 などの穴公差との組み合わせで設計する。
適合性の判断:大きな軸方向荷重や重荷重を受ける構造では、実体ピンを優先した方が良い場合もある。
よくある失敗例:
本来は空心柱が必要な箇所に、実体ピンを代用してしまう
嵌め合い穴の精度を考慮せずに設計する
材質選定を誤り、寿命が極端に短くなる
一言でまとめると:
空心柱は「何にでも使える万能部品」ではなく、特定の構造要求に応えるために設計された機能部品です。
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六、なぜ勝豐精密(Sheng Fong Precision)なのか?
勝豐精密 は、ダウエルピン・空心柱・各種精密金属部品を長年にわたり専門的に扱っており、単に製品を供給するだけでなく、部品を 「正しい場所で、正しく使う」 ところまでサポートしています。
私たちは次のようなお手伝いができます。
空心柱と実体ダウエルピンのどちらが適切かを一緒に検討
用途に応じた材質提案(SUS304、AL6061、炭素鋼、真鍮、PEEK、POM、特殊材など)
標準品の供給およびカスタム仕様のご相談
選定ミスによる組立不良や構造リスクの低減
在庫品による 迅速な出荷(即日出荷対応可)
📩 LINE:@s9000 — 図面・使用条件・写真などをお送りいただければ、最適な空心柱・位置決め部品のご提案をさせていただきます。



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